7月15日(月・海の日)、にいがたマンガ大賞恒例の「こどもマンガ講座」が今年も開催されました。
今年は「キャラクターイラストコース【入門編】」、「少女マンガコース」、「アクションマンガコース」、「2コママンガ挑戦コース【ストーリー入門編】」の4つのコースをJAM 日本アニメ・マンガ専門学校にて実施。昨年の63名を上回る71名の小中学生が参加しました。
「キャラクターイラストコース【入門編】」はマンガ家の下西輝先生が担当。事前に用意をしてもらった名刺を受講生同士で交換し、他の人が描いたキャラクターを知る事でキャラクター作りの基本を学ぶ講座でした。開始前は周囲の知り合い同士で談笑する受講生もいれば、緊張で固くなっている受講生もいましたが、名刺交換が始まると、幅広い学年の受講生が交流。講師の下西先生に名刺をお渡しする列も形成され、大変賑やかでした。
後半は、交換した名刺を基にキャラクターをペン入れする内容。中には1時間半の間に6人もキャラクターを描き、「今日学んだキャラクター作りの方法を活かし、これからもドンドン描きたい」とコメントする受講生も。
「少女マンガコース」の担当はマンガ家の鈴木いこ先生。始めに男女の身体的特徴の違いについて講義を行い、そこで得た知識を基に、宿題で描いてもらったイラストを補正しました。その後は受講生それぞれから「かわいい」や「かっこいい」と感じる要素を抽出し、なるべく普段選ばない要素を組み合わせてキャラクターを作成するといった内容。
慣れない要素を描き出すために、講師やアシスタント、受講生間のコミュニケーションが盛んに行われ、各々の「かわいい」「かっこいい」を表現した素晴らしいキャラクターが数多く生み出されていました。
「アクションマンガコース」の担当はJAMの講師でにいがたマンガ大賞実行委員会副会長でもある石川兼司先生。こちらのコースでは初めにGペンに代表される通称「つけペン」に慣れてもらうため、まずは均一な太さ・長さ・間隔の線をスムーズに描き出す、という作業を実施。作業を行いながら様々なコツを学び、宿題で描いてもらったキャラクターにペン入れを行いました。後半はキャラクターに勢いや迫力を生むスピード線や集中線の練習と併せて、デジタルでの作画を体験。慣れない作業に苦戦しながらも、マンガを描く際に欠かせない表現技法を習得するため真剣に取り組む受講生の姿から、熱意と今後への期待が感じられました。受講後には担当の石川先生を囲み、受講生が以前描いた作品を添削してもらったり、サインをお願いするという微笑ましい場面も。
「2コママンガ挑戦コース【ストーリー入門編】」の担当はマンガ家の温出真巳先生。始めに有名童話の「つづき」を考えてもらい、アイディアの生み出し方を学びました。その後、宿題として自分で考えたキャラクターを使った、簡単な2コマのマンガを作成。
それぞれの作品が実に個性豊かで、シリアスな展開のものからコメディ的なオチのついたお話、中には「先」を気にさせる「引きの強い」作品が生み出されました。その発想力、アイディアを出す速さには、担当の温出先生も感嘆。これから生み出される作品に期待が膨らみます。
講座の最後には各コースの先生より頑張った受講生の皆さんへ修了証の授与がありました。
自分が描いた作品にどこか満足していない表情からは並々ならぬ向上心が、終了時間ギリギリまで熱心に作品を描く受講生の姿勢からは創作の楽しさが溢れていました。今回の授業の中で感じたその思いを原動力に、今後も素晴らしい作品が生み出される事でしょう。