第3回（2000年）

• にいがたマンガ大賞

  「四月の風」作者：蓮見 凛（はすみ りん）

  【審査員講評】

  控えめな乙女心がかわいい。絵が抜群にうまく、ストーリー構成もしっかりしていて、作品としてよくまとまっています。少し長すぎる感があるものの、作者独自の視点が物語を新鮮なものにしています。ほとんどプロでも通用する実力がありますが、これからもさらに伸びる人だと思います。がんばってください。

• 

• こどもにいがたマンガ賞

  「銀の足跡」作者：暁 灰猫（あかつき はいね）

  【審査員講評】

  小学生とは思えない表現力のある絵柄に驚きました。絵の雰囲気が、ファンタジックなお話とよく合っています。モノローグのうまさも光っています。心に残るお話が描けていると思います。胸より上の絵が多いので、構図を工夫するとよいと思います。今後の作品を楽しみにしています。

• 

一般部門 ストーリーマンガの部

• 

  最優秀作品賞／水島新司賞

  「月がない」鈴木 有布子（すずき ゆふこ）

  【審査員講評】

  絵はうまいのに、キャラクターの顔を描かないのはもったいない。テーマも淡すぎてオチや山場を生かしきれていない。しかし、画面の構成やストーリーのアイディアの斬新さが光っており、「新しい漫画」を感じさせました。もっと練って、素晴らしい作品にしあげてほしいと思います。

• 

  佳作

  「Who am I?」九十九 マナ（つくも まな）

  【審査員講評】

  高い画力の持ち主です。印象的な画面をつくりだします。自分が伝えたいことを画面として表現する力があります。かなり高い能力をもっています。今後の課題としては、『自分のストーリー』をどれだけ作れるか、ということ。テーマをそのまま言葉にするのではなく，ストーリーやキャラクターにどれだけそれを代弁させ、作品として昇華できるかという段階に入っていくと思います。期待しています。

入選

一部部門 コママンガの部

• 

  最優秀作品賞／魔夜峰央賞

  「今日もお江戸は日本晴れ！」小山 良夫（こやま よしお）

  【審査員講評】

  内容がうまくまとまりすぎている感がありますが、登場人物には魅力があり、完成されている絵だと思います。

• 

  佳作

  「実はとても悲惨な星の王子さま」相澤 拓（あいざわ ひらく）

  【審査員講評】

  ていねいな絵づくりに好感を持ちました。モトネタの「星の王子様」の読みこみが浅く、キャラクターの掘り下げが足りないのが残念。着想はよいので、作品として構成をしっかりと練ってください。

入選

中学・高校生部門

• 

  最優秀作品賞／水島新司賞

  「眠らない夢」草子 鞠（そうし まり）

  【審査員講評】

  思わせぶりだけれども、お話が伝わりにくかったのが残念。しかし，背景がきっちりと描きこまれ、全体的にとてもていねいに仕上げられており、抜群の将来性を感じました。今後ぜひともがんばってほしいです。期待しています。

• 

  佳作

  「Take it easy」白石 恭子（しらいし きょうこ）

  【審査員講評】

  絵はとてもうまく、好感が持てます。ストーリーはこびにもテンポがあり、作者の個性が感じられます。しかし、キャラクターのアップを多用しすぎて、きゅうくつなコマが多くなっています。原稿が息苦しい。もう少しコマ内に空間やちがうアングルをもってきて、風通しのよいコマ作りを心がけるとぐっとよくなります。今後もがんばってください。

入選

テーマ部門「にいがた」

• 

  最優秀作品賞

  「あの海の色」本田 杉子（ほんだ すぎこ）

  【審査員講評】

  キャラクターが生き生きとストーリーにはまっていて、感情移入できました。また、キャラクターとせりふが一体となっていてとても読みやすい。絵もとてもうまいので、このままがんばってほしい。期待しています。

• 

  佳作

  「汐風（しおかぜ）」徳永 久志（とくなが ひさし）

  【審査員講評】

  元気があり、パンチが効いていてフレッシュな作品に仕上がっています。絵と構図はとてもうまいので、読みやすく好感が持てました。ただ、夏休みのラブ・ストーリーとしては定番のスタイルになってしまった感があります。もっと作者独自の視点を打ち出した作品を期待しています。

• 

  審査員特別賞

  「ユキガフルマチ」梅沢 秀（うめざわ しゅう）

  【審査員講評】

  着想が新鮮で、キャラクターに抜群の魅力があります。審査員一同、まさにうなってしまいまいた。これからも独自の路線をつらぬいてほしいです。

入選

小学生部門

• 

  最優秀作品賞

  「びのぼの森のビノハムピーコ」ぱくぴーこ

  【審査員講評】

  ストーリーづくりが抜群にうまく、ていねいに仕上げられた画面に好感を持ちます。かわいい絵とお話でまとまっており、読みやすいです。もう少しだけベタ（黒くぬりつぶすところ）を多くすると画面のバランスがよくなると思います。去年より一段と上達していて驚きました。大人になってもこの路線でずっと描きつづけてほしいです。今後をとても楽しみにしています。

• 

  佳作

  「ティラノ日記」竜田 大輝（たつた だいき）

  【審査員講評】

  お話のアイディアがとてもおもしろく、ストーリー展開が上手で楽しく読めました。もっとお話をふくらませそうです。絵はまだまだ上手になるので、がんばってたくさん練習してください。

入選