2026.06.18

マンガ・アニメ活用

マンガ・アニメ×○○シリーズ第6弾特別編。マンガ活用情報紙「こーなんdays」の制作を担当した株式会社DI Paletteのお話

印刷業で創業し、80年以上。令和6年に社名を株式会社第一印刷所から変更し、印刷物にとどまらず多媒体での情報コミュニケーションをサポートする株式会社DI  Palette。
実は、マンガを印刷物として扱うことはあっても、一から構成を考えてコマ割りをして、とマンガ制作自体に携わることは、それほど多くはないそうです。
今回、マンガを活用した情報紙「こーなんdays」(江南区魅力発信プロジェクト実行委員会発行)の制作を担当されたとのことで、お話をお聞きしました。

<お話を聞いた方>
株式会社DI  Palette
 ブランドコミュニケーション事業本部 ブランドコミュニケーション事業部
 企画戦略課 曽山 日菜子さま

情報紙の制作で心掛けていること

お客様のご要望をお聞きして、弊社からご提案をさせていただきながらより良いものを作っていくのですが、その際にとても大切にしていることは、読者目線です。お客様が載せたいと思う情報や見せ方などに対して、読者が見たときにどう受け取るのかというもう1つの視点を掛け合わせることで、その情報を届けたい人に対しても良いものが出来上がるように意識して制作しています。

マンガ活用 制作過程の違いは?

マンガを活用した情報紙もマンガを活用しない一般的な情報紙も、制作の過程の一番初め、どのような内容を伝えたいのか、というところは共通すると思います。マンガを活用することで大きく違うのは、マンガを作るにあたり登場人物の設定やストーリーを考える必要があるということ。これは、一般的な情報紙には無い要素です。そして制作の次の過程として、このような内容がここに入りますよ、という構成案を作るのですが、マンガを活用する場合は、マンガの部分をより細かく、構図やセリフ、コマ割りなど、より具体的な構成を作っていく過程が加わります。そこが大きく違いますよね。

マンガ × データ 良さであり、難しさ

マンガをマンガとして独立させるのではなく、載せたいデータとマンガが一体化しているところが「こーなんdays」のポイントで、良さだと思います。ただ、出来上がるまでの過程で難しかった点も、この部分でした。読者にはマンガの流れを追うとともにデータを読んでもらいたいので、読者の目線をマンガからデータ部分に移す必要があります。そのためのストーリーを掛け合わせる作業がなかなか大変でした。データとして何を一番に伝えるのかというところが決まってから、それに合わせてストーリーを調整する必要もあったので、データとマンガの両方を一緒に構成案として進めていきました。マンガだけ、データだけ、という情報紙よりも構成案を考えるのが難しかったです。

マンガ制作のポイント

今回は江南区の暮らしを投影したストーリーになっているので、実際の江南区のイベントを意識して登場させています。実際にある地域を舞台にするときのマンガ制作の重要なポイントの1つが、その地域のことを知っている人が見ても違和感がないこと。例えば、亀田公園の場面にペットの散歩シーンが出てきますが、そもそもペットを連れてきていい場所なのか。また、登場人物の設定も、年齢に違和感がないか、家族構成にも疑問があまり生まれないように。よりリアルに感じながら読み進めていただけるように配慮しています。

マンガとデータを融合させる

江南区魅力発信プロジェクト実行委員会(以下「実行委員会」という。)さまとしてはデータ部分が一番伝えたいところなので、それを引き立てるようなマンガであってほしいというご要望でした。マンガが一番ではないというところに留意しつつ、マンガの流れとデータ部分を融合させて効果的に伝えられるように調整しました。マンガ部分はマンガ家サイドと、データ部分のイラストやレイアウトはデザイナーサイドと、しっかりとコミュニケーションを取りながらの制作となりました。マンガ部分とデータ部分の制作が並行して進むので、ギリギリにならないと絵の色まで決まらないなど難しさがありましたが、それぞれの作業の進み具合を調整しコントロールすることで、完成させることができました。

目を引く表紙 ~マンガを控えめに~

この表紙も、いろいろな過程を経てたどり着きました。実行委員会さまからは「インパクトがあって手に取りたくなるような表紙。マンガを感じるんだけれども、マンガを強調しすぎていないのも1つのポイントである」と。そこで、マンガの主人公がいて、イラストや写真を組み合わせながら、おしゃれで可愛い雰囲気も出しつつ、写真もただ切り抜くのではなく、曲線や変化があるような切り取り方をすることで、楽しい雰囲気や親しみやすさを生み出しました。
完成した「こーなんdays」がラックに並んでいるのを見たとき、パッと目に入りましたし、目立っていると感じました。インパクトのあるスタイリッシュな表紙を目指し、制作に時間をかけた部分だったので、表紙としても良いものが出来たと思います。

広告手法としても

今回、実行委員会さまのご要望でプロダクトプレイスメントという広告手法を活用して、実際にある商品をマンガのストーリーに取り入れました。マンガでは、要素を詰め込みすぎてしまうと見にくくなると言われています。セリフも内容も、入れられる情報量には限りがありますが、このように(下の画像参照)、1コマにものすごく情報が入っているというわけではなくても、マンガなら、たった2コマで情報を伝えることができます。「江南区に亀田製菓があるよ」と実際の商品を登場させることで、より具体的なイメージで江南区を認識させることができます。このように、広告手法としてもマンガが活用できるので、今後のご提案に活かしていきたいと思いました。

マンガの効果

マンガは、伝えたい情報を絵と文字の両方に自然に組み込むことができます。文字だけよりもインパクトがあって目を引きつけつつ、具体的に情報を伝えられるところがマンガを活用することで生まれる効果。一般的な情報紙が見た目の分かりやすさを伝えるために取り入れるイラストとの違いだと思います。
また、マンガには物語性があるので、マンガを活用した冊子自体も一つの物語として読み進んでいただける。特定のページだけに興味を持ってもらうのではなくて、一貫性を持って最後まで見てもらうことができます。

マンガの活用に向いているのは?

情報を届ける相手、ターゲットによると思います。ターゲットは誰なのか、何を伝えたいのか。マンガを活用すると難しい内容でも分かりやすい、ストーリー性があって親しみやすいという部分があるので、目的やターゲットに応じてマンガを取り入れると良いと思います。「こーなんdays」のように、若い方、子育て世代の方を対象に良いところをアピールしていきたい場合は、こういうマンガの活用がぴったりだと思います。「何か冊子を作りたいんだけど」というご相談があれば、お客様が求める目的に応じて、マンガの活用をぜひお勧めしたいと思います。

マンガを活用してみて

私自身は、マンガを活用した制作物は初めてで、マンガ制作の流れを確認しながらの作業となることに不安もありました。けれど、たとえ敬遠されがちな情報であってもマンガにすることで読みやすくなり読み進めてもらえる、そういう効果が絶対にある、と制作する前から確信していたので、結果として、ストーリーを考えることにもワクワク感を持ち、楽しみながら制作できました。
情報紙ができるまでの過程は、読者には分からない部分が多いと思いますが、インタビューをきっかけに私も制作の過程を思い返すことができ、すごく良い機会をいただきました。今回、こうして制作のインタビュー記事が掲載されることで、さらに多くの方に「こーなんdays」の存在を知っていただけて、また手に取ってもらえる機会が増えるんじゃないかなと思うと、すごく嬉しいなと思います。

曽山さまのお話は、ここまで。
今回は、取材の総括となるメッセージもいただきました。

<メッセージをいただいた方>
株式会社DI  Palette
 トータルプロモーション事業本部 第一事業部
 執行役員 部長 金子 義晃さま

マンガの魅力と可能性

マンガというのは、ストーリーとして絵で見せていくので、共感を得たり、記憶が定着したりという効果があると思うんです。例えば一般企業でも、商品紹介や商品が誕生した背景などをストーリー仕立てにしてマンガで見せるとか。今回の「こーなんdays」は、マンガだけ、文字だけではなくて、マンガとデータを組み合わせたハイブリッドのようになっていますが、良い手法だと感じました。マンガだけでは内容が少し薄くなってしまいそうなところを、データを加えることで、マンガのストーリーで読ませてデータとしてもちゃんと分かる。ハイブリッドは「あり」なんだなって思います。
また、マンガは親しみやすいコンテンツなので、マンガの活用には訴求力があると思っています。難しい情報をターゲットに合わせて発信するという場合に、効果的に情報発信を行える手法の1つと言えるのではないでしょうか。
これからも色々とご提案の機会があると思うので、マンガの活用をするとこのような効果的なツールができますよと「こーなんdays」を見せながらご提案できたらいいなと思っています。どのような情報発信をしていくと効果的なのか検討をされている方には、ぜひ、ご相談をいただけたら嬉しいです。

江南区魅力発信情報紙「こーなんdays」 新潟市江南区

DI Palette(ディーアイパレット)