2025.12.26

その他

新潟大好き!角丸柴朗先生が描く新潟マンガ『りゅうとあまがみ』。作品に込められた「新潟愛」をインタビュー!


明治時代の新潟を舞台としたマンガ『りゅうとあまがみ』。著者である漫画家の角丸柴朗先生は、新潟大好き!を公表されている新潟ファン!
今回は、『りゅうとあまがみ』第1巻が2025年12月26日に出版されたことを記念して、角丸柴朗先生の「新潟愛」と『りゅうとあまがみ』について、お話を伺いました!

『りゅうとあまがみ』は、こういうお話

始まりは「ごはん」から

最初は、別の話として、時代もの、全国を旅するゲテモノグルメみたいなものを考えていました。私が「新潟が好き」を公表していたので、出版社の担当から「新潟のごはんマンガ」の提案があり、新潟を描けるならやりたいなと思い、考え始めたのが『りゅうとあまがみ』のきっかけです。

新潟は大嫌い? ~あらすじ~

舞台は、明治時代に開港地となった新潟。魚が大嫌いで、日本での食事にすごく不安があった英国人の少女ウィロー(愛称:ウィル)が、新潟の街で日本人の料理人流作と出会い、日本料理の美味しさや、新潟の街の魅力を少しずつ知っていく物語です。冒頭でウィルは「ニイガタなんて大嫌いよ!!」と言っていますが、そんなウィルが徐々に新潟の街の素晴らしさを知っていく、心の変化を見てもらえたら嬉しいと思っています。

料理も見所!明治時代と美味しいものの掛け合わせ

明治時代は、新潟が開港地になったことで外国人が住むようになり、日本料理の中に洋食文化が少しずつ流入していく変化の時代です。明治時代と美味しいものを一緒に組み合わせて漫画として描いたら面白いのでは、という思いがありました。明治時代に生まれた洋食は、海外の料理をそのまま持ってきた料理という感じではなく、日本風にアレンジされている料理が多いです。例えばカツ丼も、もともとはカットレットという揚げ物料理ですが、ご飯にのせた食べ方にするというアレンジがされています。海外の料理をただ受け入れていくのではなく、自分でアレンジをして、だんだんと海外の料理が日本料理に混じっていくところが面白いと思っています。

毎話登場、美味しいごはん

この作品は、明治時代に新潟で有名だった食材、今も残る郷土料理、そして江戸時代以前から続いていたような伝統的な日本料理というものを全般的に扱っています。実は、江戸時代の新潟の風景として鰯漁の絵が残っていて、有名な春の風物詩だったということを知り、これは絶対に使いたいと思い、鰯を第1話に持ってきました。
第2話のがんもどきは、新潟特有の料理というわけではないのですが、新潟街というところが海からも川からも色々なものが集まってくる場所という特徴があり、物の豊かさを表現できるかなと思いました。色々な材料を使う料理として、また現在と少し作り方が違うので面白いと思い、と紹介の意味も込めてあります。

タイトル『りゅうとあまがみ』にかける想い

タイトルはすごく悩みました。やはり「柳都(りゅうと)」という新潟の名称をつけたいと思っていましたが、「りゅうと」という言葉は、新潟に馴染みのない方には想像しにくい言葉なので、最初は省かれていました。しかし大量の関連ワード、連想ワードを見ていくなかで、流作から連想した「りゅう」と、ウィルの亜麻色髪から連想した「あまがみ」というワードがあり、これはいいなと思い、組み合わせて『りゅうとあまがみ』というタイトルになりました。「りゅう」という言葉自体は、流作の名前の響きのほか、水の都新潟の水の流れのメージ、柳都新潟の柳のイメージなどが連想できます。流作とウィルの2人の物語という言い方もできますし、柳都に住む亜麻色髪の女の子の物語という見方もできます。意味がいくつもあるようなタイトルになったと思います。

ウィルと流作への想い

ウィルは読者目線のキャラクターなので、私のように新潟の人間ではない人からすると「新潟ってこんなに面白いところがあるんだ」と感じたことを、この何も知らない主人公ウィルを通して、色々な人に知ってもらえるといいなと思っています。ウィルは、魅力的なものに対して、すごくちょろい女の子で、ツンってしている子がその魅力を前にニコッとなる様を楽しんでもらいたいです。そして流作は、明治という時代の変化に大きく振り回された過去を持つキャラクターなので、その流作を通して、明治の新潟がどういうところであったかを知ってもらえたらいいなと思っています。

『りゅうとあまがみ』のこれから

ウィルが新潟に来て流作と出会ったことで、あの頑固な流作がどんな風に変わるのかな、流作は変わっていけるのかな、というところを見ていただけるといいなと思います。

新潟大好き!角丸柴朗先生

そもそも、新潟に興味を持ったきっかけは?

もともと、日本の歴史や神仏、妖怪などがすごく好きです。弥彦村の弥彦神社にすごく惹かれ、神社の歴史を調べていくうちに、江戸時代の南魚沼の豪商が書いた北越雪譜にたどり着きました。北越雪譜は、新潟の広い地域の情報を書いている書物なので、それを見ながら新潟県全体をかいつまんで調べるうちに新潟県全域のことに興味を持つようになり、新潟が好きになりました。

資料集めにもお役立ち。大好き!新潟市歴史博物館みなとぴあ

新潟市の港町としての歴史を調べようとしたとき、最初はネットで大雑把に情報を集めて、頭の中になんとなく街を描いてから、「新潟市歴史博物館みなとぴあ」に行きました。みなとぴあは常設展も情報量が本当に多く、何度も楽しんでいます。漫画を描く上で、やはり絵的な資料が欲しいのですが、みなとぴあには過去の企画展示などの図録が置いてあるので、図録を大量に買ってきました。図録には、絵や写真などがたくさん掲載されているので、本当に参考にさせていただいています。
みなとぴあは本当にすごく素敵な場所で、本当に大好きで、何度でも行きたいですし、新潟のことを知りたいと思う新潟県外の方にも、一度は行ってみてほしいなと思っています。

新潟のお気に入りの場所

一番好きでよく行くのは、万代橋です。やすらぎ堤は本当にすごく好きで、よく座り込んで川を眺めたりしていました。みなとぴあ、旧小澤家住宅も何度も行っていますが、最近巡った場所では、日和山がすごく良かったです。新潟の砂丘、坂を感じたくて行きましたが、歩くのが結構きつくて大変でした。それでも、日和山から見た景色がやっぱり綺麗でしたし、住吉神社の手水鉢に明治17年奉納の記載があり、明治18年を舞台とする『りゅうとあまがみ』の時代にはこれがあったのだと嬉しくなりました。

新潟の良いところ

新潟市は、すごく変化してきた街だと思っています。古い歴史から見ていくと、信濃川があることによって、地形がどんどん変化していったり、街の場所も移転したりと、結構変化がある街です。そして、そういう変化をどんどん受け入れていって、それでもなおずっと栄え続けていて、今、新潟県の県庁所在地としてまだ栄えている、この脈々と続く歴史みたいなものを感じることがあります。今の新潟も街を歩くと、昔の姿も想像できる場所が残っているなあと思うところが好きです。古町の街並みも商店街がずっと続いていて、昔の古町の町通りとかも、お店がたくさん軒を連ねていた通りだったので、ずっと昔からこの姿を続けているのかと思うと、すごくワクワクします。万代エリアも通りはすごくよくて綺麗で、そこここにベンチがあり、疲れたら休めますし、本当にそういった雰囲気で、すごく好きな街並みなので、色々な人にそれを感じてもらえたらと思います。

皆さんへのメッセージ

新潟ファンをやらせていただいています。『りゅうとあまがみ』は、私の好きなところを形にした作品だと思っています。「新潟が好きだ」という気持ちをたくさん込めて描いていますので、冒頭のウィルの「ニイガタなんて大嫌いよ!!」いうセリフに腹を立てずに読んでいただけたら、とても嬉しいです。「やっぱり、新潟っていいところだよね」って、鼻を高くしていただけたらなと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

以上、角丸柴朗先生にお聞きしました。
角丸柴朗先生、ありがとうございました!

ウィルと流作の交流、味のある新潟弁、二人を見守る新潟街、そして美味しいごはんも!
ますます目が離せない『りゅうとあまがみ』。
第1巻の試し読みができます。こちらからご覧ください。(外部リンク)

角丸柴朗先生が大好きな新潟市歴史博物館みなとぴあ。
期間限定で角丸柴朗先生の書下ろしポスターが掲示されます。 HPはこちら(外部リンク)