
2026.04.13
マンガ・アニメ活用
「測量」と聞くと、「道路でポールを持つ人と機器をのぞき込んで作業している人」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
その作業も「測量」の大事な一部分なのですが、実は、普段私たちが気づかないところで、ITの活用、測量機器技術革新、そして女性の活躍も進んでいるそうです。
若い世代にも知ってもらいたい、業界のイメージアップを図りたい、と中学生・高校生向けのパンフレットにマンガを取り入れられた一般社団法人新潟県測量設計業協会の方にお話をお聞きしました。
<お話を聞いた方>
一般社団法人新潟県測量設計業協会 会長 佐治 力さま
経営委員会委員長 岩野 靖さま

皆さんが見かけることが多いのは、ポールを持つ人と機器をのぞき込む人が道路で作業をしている様子でしょうか。その作業は、建築土木工事のために正確な地形調査をしているんです。機器は、トータルステーションやレベルという名称で、角度と距離そして高さを測り、そこの地場の位置情報を算出するために使います。
実は、新潟県測量設計業協会を含む建設業関係3団体では、新潟県土木部の主催により毎年合同で、主に中学生を対象として「土木出張PR」という出前授業を行っています。その説明の中で中学生に「測量とは何か?」と聞いてみると、やはり「道路の端で機器を覗いて作業をしている」という答えが返ってきます。

「測量」とは、地形や地物を機器で観測して、その観測結果を数値化して、その数値化したものを図化することを言います。これが測量の一番の基本です。
日本の測量の歴史は長く、班田収授法や太閤検地、江戸時代に日本の国土を観測して日本地図を作り上げた測量技術者の伊能忠敬などが有名でしょうか。
では、今の測量はというと、もちろん技術が進歩しています。ドローン(UAV)に搭載したレーザーを使って地表のデータを取ることもありますし、その他にも様々な新しい機器が出てきているので、「宇宙から」「空から」「陸から」「水上から」3次元データを取得し、より簡単にかつ精度の高い地図を作成することが可能になっています。
現実的には、トータルステーションやレベルという機器も使わないと、測量ができない部分もあります。新しい機器は測るためのものなので、現地で位置や高さを決めたりするのは、トータルステーションやレベルを使って測らないといけない。また、小さな範囲の測量だと、従来の測量の方がかえって簡単でいい。身近な観測にはとても必要なことなので、一般の人が身近で目にしやすいのは、やはりトータルステーションやレベルという機器の作業になるでしょうか。広い範囲、広い地域、あるいは空から、海から測るなど、そういう時には、色々な機器、最新の機器を使っています。
建築工事は建設予定地の正確な地形調査が不可欠ですから、高度な測量技術を身に着けた測量士が、角度、距離、高さなどの観測データを収集し、それをもとに測量図面を作成して、位置や面積などを算出する作業を行います。測量設計に携わるには基本的に、測量士、測量士補という資格が必要ですが、他にも、いろいろな測量の種類や測る場所に応じた技術、知識、資格を取得して技術向上に努めています。
これまでもパンフレットを作ってきましたが、今回はじめて、パンフレットにマンガを取り入れました。中学生・高校生から目を向けてもらうことを考えたとき、マンガを取り入れると良いのでは、と。マンガを掲載するのは、当初は見開きの2ページだけの予定でしたが、表紙を含む3ページに変えました。表紙もマンガだとインパクトがあって、おや?と興味を引くことができ、測量設計業という職業をイメージしてもらえるのではないかと考えたんです。
近年、測量会社に入社して活躍する女性が増えてきています。「測量の現場に出たい!」と張り切って測量士を目指している女性もいますし、測量の現場とまた別に、CADソフトによる測量観測の解析や設計などで活躍されている女性も多いです。測量会社も色々な分野があって、女性が活躍する場もたくさんありますし、作業ではドローンなど機器の活用により負担が軽減している面も見られます。男性が多いというイメージを変えるためにも、マンガでは女子学生を主人公にしました。
実際の測量の様子や職場での勤務の流れなども知ってもらうために、パンフレットにはマンガのほかにも新潟県測量設計業協会の会員である各会社にインタビューをしてまとめた内容を掲載しています。
また、二次元コードも載せることで、最新の機器を使って測量をしている動画が見られるように工夫しました。今後、「土木出張PR」でこのパンフレットを中学生・高校生に配布することで、測量設計への興味を持ってもらい、測量設計のイメージを変えていきたいんです。
これからの取り組みとしては、新潟県測量設計業協会が独自に学校へ出前講座に行き、最新型の機器を生徒さんに触れてもらう機会を増やしていくことが大切だと考えています。従来の理論の座学も大切ですが、生徒さんには新しいものを見て、触って、測量機器に対して魅力を感じてほしい。「土木出張PR」は限られた時間の中で行うので、生徒さんが新しいものに触ってみる時間を十分には取れません。別途、私たちが独自に出向き、これからやらないといけないと思っています。
また、各測量会社でインターンシップの機会を設けているので、夏休みなど長期休暇期間中には、生徒さんからどんどんインターンシップに来てもらいたい。測量設計を経験してみると、一番わかりやすいんじゃないかな。やっぱり、来て、見て、触れて経験して、というのが良いですよね。
今、私たちは、若手の入職者が将来に希望を持っている業界へと変革するために、新しい4K「給与・休暇・希望・かっこいい」の実現に向けた取り組みをさらに加速していかないといけない。そのために、新技術で設計のあり方を根本から変えつつあります。これからもi-Construction・DXを含めた新技術を積極的に取り上げて業務の効率化と高度化を図り、インフラ整備の計画、設計、維持管理を通して、地域の安全を高める役割を担い続けていきます。
マンガを取り入れたこのパンフレットを通じて、中学生・高校生の皆さん、保護者の方に、測量設計のことを知り、興味を持っていただければと思います。