2025.06.12

マンガ・アニメ活用

マンガ・アニメ×〇〇シリーズ第2弾。新潟市西区社会福祉協議会にマンガ×ふくしでの活用方法を聞いてきた!

今回は文化の中でも「マンガ」にフォーカスをし、マンガと福祉を掛け合わせ「地域福祉マンガ大賞」を発刊した西区社会福祉協議会 広報ご担当の方々に福祉分野でのマンガの活用法と可能性について取材をしてきました。

→西区社会福祉協議会「地域福祉マンガ大賞」ページはこちらから!

お話を聞いた人

西区社会福祉協議会 有木さま、井浦さま、皆川さま、橘さま

好きなマンガ・アニメ:
「Paradise Kiss」、「キングダム」、「クイーンズクオリティ」、「夏目友人帳」

マンガと福祉はなかなか結び付かないイメージですが、なぜマンガを使って福祉をわかりやすく普及する活動を始めようと考えたのですか。

令和5年度に「地域福祉文学大賞」と冠して、今回同様に地域福祉をテーマとして全国から短編小説を募集、作品集を発行し、大変好評でした。
一方で活字を読む習慣のない人には、短編であっても「小説を読む」という行為に敷居の高さを感じる方もいるのではないかということで、より親しみやすい媒体であり、ストーリーも織り込めるマンガを活用したいと考えました。
私たちは日頃、福祉を「ふだんのくらしのしあわせ」として、「誰にとっても関係のあるもの」だと伝えていますが、皆さんは「福祉」と聞いてご自身にも関係があるものだとイメージできるでしょうか。もしかしたら、何かの福祉サービスを使っているとか、障がいがあるとか、お金に困っているとか…そういった「限られた人のためのもの」というイメージの方も多いかもしれません。
でも、ご自身が知らないだけで、あなたのすぐ近くにも色々な人のための取り組みがあるかもしれません。 そういった様々なふくしについて「知りたい」「調べてみよう」「自分の地域はどうなのか考えてみよう」「自分の地域をよくするために行動してみよう」と行動するきっかけづくりが福祉教育で、その手段の一つがこの「地域福祉マンガ大賞」の企画です。
マンガの読み手側にとっては作品を楽しみながらいつの間にか福祉に関して新しく知識を得たり、描き手側にとっても、普段は意識していなかったとしてもこの企画をきっかけにふくしについて考えたり調べたりしていただきたいという思いがありました。
作品集の発行後、早速「福祉教育をする際に学校の授業で紹介してもいいか」という問い合わせもいただいています。

西区社会福祉協議会はどのような活動をしている組織ですか。

西区社会福祉協議会(以下、社協)は、「誰もが安心して暮らすことのできる福祉のまちづくり」を目指す、営利を目的としない民間の団体です。
誰もが安心して暮らすには、社会とのつながりや、排除されないこと、お互いへの理解や思いやりが欠かせません。地域の福祉問題について住民とともに考え、協力して様々なことに取り組んでいます。

西区社会福祉協議会の詳しい活動はこちらから

「ふくし×文化」企画をはじめた際、周りはどのような反応でしたか。 また、活動を始めたころと今とでは周りの反応に変化はありましたか。

広報をご覧になった全国各地の社協からの、「面白い取り組みですね」「企画の自由さがすごい」という反応が目立っていたように思います。
社協は民間組織でありながら、役所の建物の中の一角に入っていることも多いために公務員であると勘違いされることも多く、また広く住民や社会福祉関係者に支えられた公共性という側面も併せ持つため、「面白い企画」に対するハードルが高いことは傾向としてあるかもしれません。
私たちはその点恵まれていて、「社協の存在や活動を広めるためにあらゆる工夫をして 取り組んでほしい」という考え方の会長をはじめとする役員の方々、社協の活動のため にと寄付をしてくださる住民の方にも背中を押され、走り出すことができました。
各地区の民生委員さん方も、理解があり協力的な方が多 くいらっしゃいます。
第1 弾も第2 弾も、作品の応募があるか不安でしたが、今では「次は何を募集するの?」 と関心を持ってくださっています。

西区社会福祉協議会が目指す「ふくし×文化(マンガ)」の最終地点はどのようなものですか。

最終地点は「地域共生社会の実現」ということになると思います。
平たく言うと、「どっちが支えているとか、支えられているとかではなく、お互いに助け合いながら一緒に生きていきましょう」という関係性の輪を、いかに広げていくか、 ということになると思います。
その過程において、マンガを含む文化的ツールを通じて、身構えずにふくしについて知ってもらいたいと願っています。
地域共生社会とは、”制度・分野ごとの『縦割り』や 「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と 人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会を指しています。”

出典:厚生労働省 地域共生社会のポータル

ふくしがいつもの馴染みのメンバーで語られるもので終わらず、より多くの人の間で自 分のこととして語られるためには、「ふくし×文化」、「ふくし×○○」としての○○が、 ふくしから遠いほど取り組む意義があると考えています。

「地域福祉マンガ大賞」の受賞作で、ご自分が好きな作品はありますか?理由とともに教えてください!

有木「あかりがともるとき」
ストーリーが読みやすく、すぐにマンガの世界観に入ることができました。また「発達障がい」についても主人公を通して読者にも分かりやすく描かれており、ストーリーにもうまく組み込まれていました。自身の小学生時代を思い返しながら、「こんなこともあったよね」と懐かしい気持ちになりました。
井浦「ひーばあちゃんのご飯」
短編マンガでありながら、昔と現在の食について、分かりやすく表現されていると思いました。多種多様で様々な食があふれる現在において、食の有難さを感じるとともに、改めてあたりまえではないのだと感じました。孤食や核家族が増える中で、多世代で食卓を囲むほのぼのとした空気感、温かみを感じる描写も素敵です。
皆川「Wonderful days」
こども食堂でのふだんの暮らしのひとコマがあたたかく描かれており、ほっこりします。「困窮家庭の子」という視点ではなく、こどもの素直な気持ちを受け止めて関わる大人の存在の大切さがスーっと心に入ってくる作品です。
橘「キラッッ!!楽しいのめぐり」
こども食堂へのボランティアを通して、こども食堂の意義とは何かを考えた主人公ハルトくん。こども達からもらう「キラッッ!!」から感じた、かけがえのない気持ちは「支援」ではなく、「楽しさ」だと気づく素直な感性に感動しました。

西区社会福祉協議会が行っている「地域福祉マンガ大賞」は、作品集の無料配布を行っております。読んでみたいと感じた方はページ上部より西区社会福祉協議会HPまで!

お問い合わせ先

新潟市文化政策課

電話:
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