2026.10.27

その他

デビューのきっかけは、「好き」で続けていたファンアート! 兼業マンガ家として、マンガ制作のコツ、楽しさを伝える、たきやまなお先生にインタビュー!

たきやまなお先生は、新潟市マンガの家が開催する講座「マンガのいっぽ」の講師も務める、兼業マンガ家。
マンガ家になりたいという小学生の気持ちも、その子たちが大人になった時に悩む気持ちも分かるからこそ、楽しんでマンガを描いてほしいという、たきやまなお先生のお話を伺いました!

マンガ家への道

小学生の頃 ~夢は、マンガ家~

小学生の頃は、同じクラスの子をキャラクターにして、ギャグマンガみたいなのを描いたりしていました。今振り返ると、ちゃんとしたマンガかというと、どうだったかな?という感じなんですけど、クラスのみんなにも見てもらって、自分が描いたマンガを褒められるのがすごく嬉しかったです。
今年も新潟市が「こどもマンガ塾」を開催しましたが、私もマンガ講座に参加したことがあるんですよ。イラストを描くのが好きだったので、描いて出してみようという気持ちで、にいがたマンガ大賞のイラスト部門(当時)に応募したことを覚えています。マンガ用のペンを使って本格的に描いたのは、その頃だったかもしれません。
夢は、マンガ家。小学校の卒業文集にも「将来の夢は、マンガ家」と書いていました。

きっかけは、ファンアート

趣味でマンガを描き続けていましたが、マンガ家への道からは、ちょっとそれていた時期もありました。中学生になってからは学校の先生を夢見るようになったので、理科の先生になるため、理系の大学へ進学。ただ、大学生になり、ちょっといろいろあって教職の道をやめようと決めた時、じゃあ、本当は何がやりたいのかなって自分で考えたら、やっぱり描きたい、となったんです。
デビューのきっかけとなったのは、バレーボール選手のファンアート。私は、バレーボールの選手が好きで、人を描くのが好き。趣味でバレーボールの選手を描いていたので、スポーツ選手のイラストを投稿するサイトに投稿していました。そのサイトを作っている会社がマンガ事業を始めることになり、マンガ事業の担当さんからお声がけいただいたんです。ちょうど、大学卒業が近づき、進路に悩んでいた時でした。

葛藤

声をかけてもらったことで、じゃあ、ちょっと頑張ってみようか、と。でも、親に言うのが恥ずかしいじゃないですけど、安定した仕事ではないので、心配かけるかな、とも思ったり。 実は、マンガ家への道をちょっと諦めた時、「好きで描けるものじゃないから、仕事にしちゃうと、嫌いになっちゃうかもよ。」ということを親から言われたりもしていました。多分、親としては、やっぱり心配だし、安定した職業に就いてほしいっていう気持ちがもちろんあったと思うので、マンガ家への道をちょっとこう避けさせるじゃないですけど、そういうのもあったのかなって、今になれば、ちょっと思う部分もあって。大学を出してもらって、でも結局、マンガ家への道に戻るのか、と自分でも思ったり。 マンガ家って、結構夢がある仕事なので、そんな友達ではないと分かってはいるんですけど、やっぱりちょっと友達の反応が気になったりと、葛藤がありました。

最初に伝えたのは、バレーボール選手

マンガ家になることを、その時ファンだったバレーボール選手に初めて伝えました。バレーボール選手自身が夢を追っている人だし、変な言い方なんですけど、頑張れって言うことに対して、親や友人よりは責任が無いから、すごく清々しく応援してくれるだろうなって。手放しに応援してくれそうな、背中を押してくれそうな気がしたんです。
伝えて、良かったです。バレーボール選手から「一緒に頑張ろうね」って言ってもらって、すごく嬉しかったし、頑張ろうって勇気づけられました。 そして、伝えたことで、自分の中でさらに気持ちが固まった感じがしました。 誰にも伝えていない時って、自分の中だけの「やりたい」っていう気持ち。でも、誰かに宣言したことで、後に引けないじゃないですけど、言ったからにはやるしかなくなったみたいなところがあって、親や親しい友達にも話をしました。
関東に出ていたので、それだったら新潟に一度帰ってきて、何年か決めてやってみる。それでどうにもならなかったら、マンガを続けてもいいんだけど、一応仕事はしようね、という話になって。仕事しながら頑張ろう、という感じでしたね。

マンガ家の道

兼業で

マンガ家として活動を始めましたが、3話くらいの作品を1回連載させていただいた後、ちょっとうまくいかない時期もあり、ダブルワークで観光施設の受付の仕事を始めました。 すごく好きな施設だったし、勤務時間がきっちり決まっていて残業もなかったので、マンガを描きながら働けると思ったんです。マンガと並行して4年半程続けましたが、マンガの連載が2本決まりそうになった頃に、さすがにフルタイムでのダブルワークは無理かもしれないと思い、辞めました。

講師として

今は、マンガの家で短時間、出勤回数も少なく、講座の講師の1人として活動しています。マンガの仕事だけ、というのも夢ではあるのですが、マンガの家で人と関わったりすることも、自分の中で結構大事だなと思っています。
講座に参加する方も、趣味としてやりたいと思っている大人や、仕事として頑張りたいと夢を持つ小学生、マンガ大賞を目指したい人、描くことがとにかく好きだという子、いろいろな方が来るので、刺激を受けます。
講座で使うイラスト素材を参加者さんが選ぶとき、講師たちが描いたイラストの中から、「これにします!」 って自分が描いたイラストが選ばれると、やっぱり嬉しい。嬉しくて、でもその時に「私が描いたんですよ」とか言えないんですけど、すぐ言わないんですけど、でも、ちょっとこっそり見ていて、色を塗ってもらうのとか嬉しくって。
楽しく働いているので、マンガの家で続けられる限りは、講師を続けたいなと思っています。

連載2作品、同時進行中

現在、2つの連載マンガを制作しています。去年の夏頃、連載中のマンガと短編のマンガを同時に並行して進めていた時期がありましたが、連載マンガを2作品同時に扱うのは、私自身、初めての経験。2作品同時というのは 結構大変で、思った以上に苦戦しました。
2作品のうち、1つは自分の絵柄でオリジナル、もう1つは原案があって、若干変えた絵柄での制作依頼。これまで連載させていただいた作品は全て原案・原作があるものでしたが、絵柄を変えるというのは、やっぱりちょっと大変です。見る側としては、多分そこまで大きな違いを感じないと思いますが、輪郭や線の太さを変えるなど、私の中ではこだわった部分があります。原案の文章をいただいて私がマンガの形にするので、ストーリーで大きく悩むことはないんですけど、本当に作画がきつい。もうちょっとすんなりいくかなと思っていたんですが、意外と進まない。やっぱり、やってみないとわからないものだなぁと思いました。

期待に応えたい

担当さんから声をかけていただいたのが、本当に、奇跡です。商業として描いたことがなかったので、作画の面では、担当さんから多くの指摘を受けました。それでも、やっぱり描くことが好き。指摘を受けると、落ち込むのは落ち込むんですけど、ずっと落ち込むというよりは、そうだよな、と納得。良くなるのならやりたいな、と。やったことがない私に声をかけてくれたので、担当さんの中では、きっと、何かしら私にできることがあると思ってくれたと思うんです。声をかけていただいたからには、やっぱり応えたい、応えていきたい、という気持ちがどうしてもあります。
私が描くマンガは電子書籍として配信されていて、今は、配信だけのマンガも多いと思うんですけど、親世代にはあまり馴染みがないようで、「それってマンガ家なの?」みたいな感覚だったりしますよね。だから、ちょっと自分から「マンガ家なんです」って、未だに言いづらくて。でも最近は、もう少し胸を張って言ってもいいのかなって、ちょっと思うようになりました。講座に参加する方から「先生、本当にプロなんですね」「すごい」って言っていただけるので、その自覚を持って頑張ろうと思っています。

好きな作業

ネームを作っているとき、文章からマンガにする瞬間みたいなところは、楽しいは 楽しい。でも、一番頭を使います。文章から、まず、本当にざっくりしたネームを作り、その後で、提出できるようなネームをもう一回描いています。
これは、あるメーカーの4コマ用のマンガノート(下の画像参照)。もともとコマが入っていて、それをさらに縦割りにして使っています。ページが並んだ時にコマがかぶっていると見栄えがよくないし、角度があまり単調にならないように顔の角度を変えたり、視点をちょっと下からインにしたり、並べて見えたほうが確認するときに楽なので、ざっくりと、セリフを入れていない状態で、イメージで全部置いています。提出する時は、これをもうちょっと描き込んでいます。この作業は、わりと「やっている感」があって楽しいです。

子どもの頃に、知りたかったこと

私の場合は、絵を描くことが好きな人の進路、こういう道があるんだよ、っていうことでしょうか。
当時も専門学校はありましたが、それ以外にも、画塾があって、画塾に通って美術系の大学へとか、教育学部の美術学科へとか。いろいろな進む道を知っていたら、多分違うこともあったんだろうなとは思います。これまでを後悔しているわけではないですが、知っていたら、きっと、みたいな気持ちもあって。絵を描くことが好きな人が進む道、どんな道があるのかを知りたかったかもしれないですね。

皆さんへのメッセージ ~楽しんでマンガを描いてほしい~

講座に参加した子に、「家でも描いているの?」 とか結構聞いちゃうんです。「描いている」って答えてくれるので、すごく嬉しくて。 楽しんで描いているんだろうなって、昔の私を見ているような感覚になっています。
なかには、すごく根を詰めて頑張っている子もいると思うんです。でも、私みたいな進路の人もいるので、マンガ家への道からそれても、また戻ってこられるから。なんていうんですかね。 1つのことに縛られすぎないで、頑張ってほしいなぁっていう気持ちで、みんなのことを見ています。
本当にずば抜けて上手、というのでなければ、やっぱりどこかで壁にぶつかる。途中で挫折しちゃう子も多いとは思うんですけど、でも好きだったら、やっぱり続けてほしい。嫌いにならない程度に続けてほしいと思いますね。
私自身も、諦めていた時期にずっと描き続けていたら、嫌になっていたかもしれない。 仕事で大変なことも、もちろんすごくあるんですけど、でも続けられているっていうことは、多分、マンガを描くことが好きなんだなとは思っているので。そうですね、好きで続けるのが一番いいと思います。みんなには、楽しんでマンガを描いてほしいなって思っています。

以上、たきやまなお先生にお聞きしました。
たきやまなお先生、ありがとうございました!

間もなく連載スタートとなる新マンガ、お楽しみに!
これからも応援よろしくお願いします。

新潟市マンガの家では、毎日、マンガ基礎講座「マンガのいっぽ」を開催中!
テーマを絞った様々な講座のほか、平日開催の「マンガのいっぽスタジオ」では、ペンの使い方やネームの作り方など、マンガ制作のお悩み相談をお受けしています。
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講座プログラム、新潟市マンガの家については、こちらから
マンガの家 : マンガのいっぽ