2026.02.27

その他

第25回にいがたマンガ大賞受賞の由多先生が描く『だから肉まんを売る』。受賞とデビュー、新潟でのマンガ制作についてインタビュー!

人間《ヒト》と獣人が共に暮らす、中華な町。自分の居場所を探す孤独な少女リーチィと、ぶっきらぼうながらもリーチィに手を差し伸べる青年ヤヌが織りなす、ファンタジーラブコメ『だから肉まんを売る』。
作者は、第25回にいがたマンガ大賞を受賞した由多先生!
商業連載開始のお知らせを由多先生から頂戴したことがきっかけとなり、今回のインタビューが実現しました。
受賞とデビュー、新潟でのマンガ制作、由多先生の「好き!」を集めた作品『だから肉まんを売る』について、お話を伺いました!
今回は特別に、由多先生を担当されているツインエンジンの編集者の方からもコメントをいただいています。

第25回にいがたマンガ大賞を受賞して

受賞作『レンアイコウカ』

仕事をしながら、空いている時間に趣味としてマンガを描いていました。応募した年は、まとまった時間がたまたまできたため、挑戦してみようと書いたのが受賞作『レンアイコウカ』です。実は、数年前にも一度、にいがたマンガ大賞に応募したことがあります。その時の作品は、どちらかというと冒険的な、和ファンタジーのような話で、入選となり賞状をいただきましたが、次に応募するなら上を目指そうと思っていました。第25回の時は、前回応募時よりも、もっと自分の趣味・思考に近いもの、好きなものを描きました。好きなものを入れようっていう、あれです。『レンアイコウカ』は恋愛マンガなので、描いていて楽しかったです。

続編から、読み切りへ

にいがたマンガ大賞受賞時は、出版社からのスカウトはありませんでした。私にとって初めての出版物となる『第25回にいがたマンガ大賞作品集』に載って満足という気持ちと、商業的なところに声をかけてみようかなという気持ちがあり、『レンアイコウカ』の続編を2話、3話と描きました。しかし、その作品でコンテストに応募するも落選。その後、webで持ち込み、相談してみると「まずは、読み切り。コンテストに続編を持ってくるのは無謀です。」と。それはそうだ、それじゃあ新しい話を、と描いたのが『だから肉まんを売る』です。年末に思いついたので、年末年始の休み8日間を使い、その時間の範囲で描けるページ数の作品にして投稿サイトに載せてみたところ、「キャラが可愛い」と好評価をいただきました。

自分の「可愛い」「好き」を大事にしたい

プロの方の意見も聞きたいと思い、webで持ち込みをしました。持ち込んだ先では、「デビューを目指してもいいけれど、今の感じだと、キャラクターやストーリーを出版社のカラーに合わせて調整が必要だよ」と。でも、「可愛い」と思って描いているから、私の「好き」が詰まっているから、絵柄や優しいお話という点は調整したくなかった。「じゃあどこに持ち込めばいいの?」って思ったけれど、マンガを描くのは好きでも、どこの出版社に入りたいとか、そういうのがなくて。「どこかな?」「好きって言ってくださるところ、ないかな?」と思っていたら、投稿サイトに載せていた作品がツインエンジンさんの目に留まり、デビューとなりました。自分の「可愛い」「好き」の表現を、商業連載という形ですることができて、本当に嬉しいです。

 (編集担当者のお話 その1)

多くの漫画レーベルには、それぞれ持ち味というかカラーがあるので、「レーベルのカラーに合わせてください」となるところが多いかなと思います。弊社で今夏の立ち上げを目指して準備を進めている新レーベルでは、「アニメ化を目指した作品」ということ以外、ジャンルに絞られない作品作りを行っています。由多先生の絵柄はキャラクターが魅力的で、ぜひこの作家様と一緒に作品作りがしたい!と思い、お声がけしました。商業連載のため、投稿サイトに載せていたものから若干ストーリーを調整していただいていますが、すごく可愛いキャラクターはそのままです。

ファンタジーラブコメ『だから肉まんを売る』

「中華な異世界」と「肉まん」を選んだ理由

中華系のものやラブコメマンガが好きなので、私もそういうマンガを書いてみようと思いました。「肉まん」は、皆、わりと好きですよね。少ないページでも、中華系というのが分かりやすいアイテムだと思ったことが1つ。そして、投稿サイトの作品では、ヤヌさんが肉まんを食べたいからリーチィちゃんにお店をさせるという流れ。怖そうな人の可愛らしいギャップを表現するのにうってつけだと思ったのが「肉まん」を選んだもう1つの理由です。商業連載では、投稿サイトの作品と少し話の流れが違いますが、ヤヌさんとリーチィちゃんのかわいい部分を組み合わせて、より良い物語になっていると思います。

ヤヌさんとリーチィちゃん

柄の悪そうな青年ヤヌさんと、健気な女の子リーチィちゃん。商業連載の『だから肉まんを売る』は、そんな2人の壮大な馴れ初め話です。ヤヌさんは、貸家業。家主だから、ヤヌという名前にしました。そして、リーチィちゃんは、果物のライチから。ライチは、すごく魅力的な食べ物だけど、実は、人間が分解できない毒素を持つので食べ過ぎると毒になる。そういう、すごく魅力的なのに、ちょっと危うい存在なところ、見た目が可愛いところから、ライチをモジってリーチィと。町の住民の悩み事をヤヌさんとリーチィちゃんの2人で解決する姿や、2人の恋路を楽しみにしてください。2人のカップリング名をヤヌリーと言うのですが、カップリング推しでヤヌリー好きになってくれると嬉しいです。

町全体の世界観

登場人物は皆、キャラが濃くて魅力的。町の住民として獣人達がたくさん出てきますが、町に住んでいるからこその想いがそれぞれにあり、それも面白いと思います。自分の夢・理想では、町一帯の住民全員を、「そこで生活している一人一人」として描きたい。道をただ歩いている人も、前回出てきたあの人だね、というように。別にしゃべりもしないし、ただ歩いているだけなんだけれど、あの回に出てきたあの人、今ここで歩いているね、と。この町に住んでいる様子を作り込んでいきたいです。

新潟とマンガ

新潟でマンガ制作 家族と共に

新潟で、完全在宅でマンガを描いています。家族が家事を協力してくれるので、とてもありがたい。めちゃめちゃ甘えていますね。家族のおかげで私が仕事に集中できる、だから締切も守れる。私だけの力じゃなくて、家族のおかげ。こどもが遊んでいるところを端に見ながらマンガを描けるのも、すごく助かっています。もともと人見知りで、お外に出るのが得意じゃないので、完全在宅で仕事ができるのは天職かなと思っています。

デジタルだからこそ

もともと、手書きの絵が苦手だったんです。私が専門学校に通っていた時、漫画科はアナログのコースのみでしたが、手書きが嫌すぎて、違うコースに通いました。マンガを描きたいけれど、手書きじゃなぁって、やらなかった。だから、マンガの描き方みたいなのは、学校では習っていないんです。デジタルが普及していなければ、多分マンガを描いていないです。デジタルだと書き直せるのがいいですよね。水彩とかもすごく憧れていますが、にじみが、ね。修正できない怖さがあるので、デジタルです。もちろん、アナログとデジタルではペンの勢いが結構違うし、アナログにはアナログの良さがある。自分が描けないから、アナログのマンガ家さんに憧れもあります。

新潟で困ったことは、、、雪?

新潟でマンガを描いていて困ったことは、特にないですね。雪があるとインターネットがつながらなくなりがちで、雪の影響を受けちゃうんですけど、それは我が家だけかもしれないですね。データを送信するときにタイミングを見計らったりして調整しています。その他の困ったことは、編集担当者さんに都度、聞いているので大丈夫です。初原稿の時だけ、めちゃめちゃ焦って「これで合っていますか?」「どうやって納品するの?」と何回かやり取りしましたが、一回通ったら、じゃあこれで、次回からは同じことをするで良いんだ、と。編集担当者さんが新潟にいつも来てくださるので、出版社へは、一回も行っていません。

 (編集担当者のお話 その2)

遠隔でも、特に困ることはありません。由多先生からの「困った!」には、メールですぐにお答えしています。最近はデジタルで作画をされる作家様も多いので、東京近辺ではなく遠方で描かれていても、問題ありません。私が担当している作家様は、東京近辺に限らず、いろいろなところにお住まいです。

由多先生にとって、マンガとは

私にとってマンガは、現実を忘れて没頭できるもの。生きがいの一つ。少しでも時間があるとマンガを描きたくなります。現実には、暗いニュースやネガティブなものなど色々ありますよね。マンガは、それらに対する私の心のカバーになってくれる。読むものくらいは、幸せなお話がいいな、と思っています。『だから肉まんを売る』は、すごくキュンとして幸せを感じられるので、ぜひ読んで欲しいです。

マンガを描く人、挑戦する人へ

マンガを描いていること、デビューしたことを周囲に言わない方もいると思います。でも、せっかく新潟市が「マンガ・アニメのまち にいがた」と銘打っているので、私は表に出そう、と。私のマンガ家デビューが記事になることで、これから後に続く人達がマンガのことを言い出しやすくなるといいなと思います。
そして、マンガに挑戦したい人にすごくお勧めしたいし、挑戦してほしいのが、にいがたマンガ大賞です。にいがたマンガ大賞では、準入選以上の場合、その作品の講評用紙を応募者へ渡してくれますよね。ストーリー、キャラといった項目ごとの評価があり、それを見ると、私はこの辺のレベルにいるんだな、とわかる。審査員の方からメッセージもあり、嬉しいし、ありがたい。表彰式と合わせて行われる講評会では、1作品ずつ数作品分を、来場された審査員の方がコメントしてくれます。時間が許す限り講評してくれる、それが嬉しくて。講評会の場に集まる方達も、皆さんマンガを描くのが好きな人だから、皆で共感できるような空間になっている。にいがたマンガ大賞は、マンガを描く人を応援してくれるし、自信をつけさせてくれると思います。

以上、由多先生にお聞きしました。
由多先生、ありがとうございました!
ツインエンジン編集担当者さま、ありがとうございました!

ヤヌリーの恋模様はどうなる?
町の住民たちが持つお悩みって、何?
由多先生の「好き」が詰まった『だから肉まんを売る』。
これからも応援よろしくお願いします。

にいがたマンガ大賞歴代受賞作品を読めます。こちらからどうぞ

「にいがたマンガ大賞に応募していた」「にいがたマンガ大賞で入賞した」という皆さんがデビューなどされた際、にいがたマンガ大賞実行委員会からもPRいたしますので、ぜひご一報ください!