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4月14日(土)より新潟市新津美術館で「ウルトラマン創世紀展~ウルトラQ誕生からウルトラマン80へ~」が開催になりました。この展覧会はウルトラマンシリーズの原点である『ウルトラQ』の誕生から、『ウルトラマン80』までを取り上げた、新潟市新津美術館の開館15周年を記念した展覧会です。

開催初日となった14日は、ウルトラマンでハヤタ隊員役を務めた黒部進さんと、同じくウルトラマンでフジアキコ隊員役、ウルトラQで江戸川由利子役を務めた桜井浩子さんのスペシャル対談とサイン会も行われました。また、ゲストのお二人へウルトラマンの思い出などについてお話を伺いました。

大盛況だった会場のレポートとスペシャル対談の様子、お二人へのインタビューを一挙お届けします!



■展覧会レポート

■スペシャル対談&サイン会

■インタビュー:黒部進さん・桜井浩子さん


■展覧会レポート

開館直後にも関わらず駐車場は満車状態で、来館者の中には空きが出来るのを待っている人がいるほどでした。


会場について初めに目に飛び込んできたのは、美術館入口に飾られたウルトラマンの大きな幕。必殺技の「スペシウム光線」のポーズをきめて来館者を出迎えます。


館内はたくさんの人で賑わい、その多くは番組が放送されていた当時に夢中になっていた世代の方達。館内の随所に設けられたウルトラマン達の立像の写真を撮ったり、家族で来ている人は子供に各ウルトラマンの紹介をするなど、子供の頃の思い出を話している姿が至るところで見られました。

会場は順路に沿ってシリーズを放送順に追っていく事ができるようになっており、各シリーズで使用された衣装や小道具の数々、怪獣の衣装の一部、撮影用のミニチュアなど、テレビでは確認できなかった細かなところを間近に見る事ができるとあって、来場者の方々も足を止めてじっくりと鑑賞する様子もしばしば。


怪獣の設定資料展示の前では、子供と一緒に怪獣の名前を言い当てるクイズをしたりと親子で楽しんでいる方もおり、幅広い世代で愛されている作品であることを感じました。


今回の展覧会の見どころの一つは、ウルトラマンシリーズの原点となった「ウルトラQ」から「ウルトラマン80」までに使用された全台本や、円谷プロダクションの創設者で「特撮の神様」と言われる円谷英二さんの当時綴った日記などの、貴重な展示品です。とくに台本の飾られた棚の前では、足を止めて作品について語り合う人達もいて、ウルトラマンが与えた影響の強さが伺えます。


今なお、新しい作品が作られているウルトラマンシリーズ。当時夢中になっていた世代の方達が目にした怪獣が、現代の作品にも再び登場していることで、大人と子供を結ぶ橋渡し役にもなっているのかもしれません。


また、展覧会のイベントは5月・6月にも開催されます。

5月は12日(土)に、「ウルトラセブン」に出演した、モロボシ・ダン隊員役の森次晃嗣さん、アンヌ隊員役のひし美ゆり子さん、アマギ隊員役の古谷敏さんの3名を迎えてのスペシャル対談及びサイン会。19日(土)には『ウルトラマン対仮面ライダー』(文藝春秋)、『ウルトラ超兵器大図鑑』(竹書房)を執筆した高橋信之さんによる講演会が行われます。6月は2日(土)に、ウルトラマンによる「握手☆写真撮影会」を開催します。

まだまだ賑わいを見せそうな「ウルトラマン創世紀展」。今後のイベントも見逃せません!

▲館内随所に立つウルトラ兄弟の立像

(写真はウルトラセブン)

▲2階のエントランスに大きく飾られた、画家・南村喬之(みなみむら たかし)氏による雑誌グラビア「オール怪獣大激闘」

▲会場はウルトラマンに憧れた大人の方達が多く訪れていました。


■黒部進さん・桜井浩子さん スペシャル対談&サイン会

開館直後、11時からの対談を一目見ようと観覧整理券を求めて、配布場所には早くも人が集まり、対談開始の約30分前には既に配布終了となるほどでした。

対談開始が近づくにつれて、どんどん埋まっていく観覧席。あまりの人気ぶりに、急遽立ち見も行われるほどでした。


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――最初にウルトラマンのスーツを見た時の印象はいかがでしたか?


黒部さん

あの顔は菩薩をイメージして作ったという話を聞いていたんですけど、あの表情の中に人が持っていなければいけない正義や力強さ、冷静さなどが集約されている気がしました。


桜井さん

最初は「鉄仮面」という印象でした(笑)。“何だろう?”という不思議な感じがしましたが、いざドラマの中で活躍する場面を見ると“がんばれ!負けるな!”というように感情移入していきましたね。


――特撮部分は別で撮影していたという事ですが、全て繋がって一つの作品としてテレビで見た時の最初の印象は覚えていますか?


黒部さん

大変申し訳ないんですが、よく覚えていないんです(笑)。


桜井さん

印象が強い話で言えば、バルタン星人が初めて登場した話です。私たちは実際にバルタン星人を見て撮影をしているわけではないので、そのシーンがどう表現されるのか不思議に思っていました。そこで実際に仕上がった映像を見た時に「なんて美しいんだろう」と感じました。


――ウルトラマンで好きなエピソードや怪獣を教えていただけますか?


黒部さん

好きな怪獣は「ピグモン」や「ウー」です。どちらの話も悲しい内容のものでしたけれど、怪獣自体はとても愛おしいキャラクターでしたから。


桜井さん

私は「ジャミラ」です。宇宙に置き去りにされて、戻ってきた地球でひどい目に逢わされたりと、女の子の心をくすぐる可哀想なエピソードを持った怪獣なんですよ。ジャミラが登場する話の台本を読ませていただいた時、感動して涙を流した事は今でも覚えています。


――ウルトラマンシリーズを通して、受け継がれている事は何だと思いますか?


黒部さん

子どもたちが成長していく過程のしつけのようなものじゃないでしょうか。

優しさや強さ、正しい事は正しく、悪い事は正すといった事をどの作品でも伝えていると思います。


桜井さん

黒部さんのおっしゃる通りだと思いますよ(笑)


――では、集まっていただいた方へメッセージをお願いします。


黒部さん

今日は満席になるほど集まって頂いて、本当にありがとうございます。撮影をしていた時から46年が経ちましたが、今でもこれだけの方が会いに来てくれるということは、いかにウルトラマンが皆さんの心を揺さぶったかという事を実感しています。でも、こう感じることができるのも、皆さんがあってこそです。本当にありがとうございます。


桜井さん

ウルトラマンシリーズはこれからも続いていくと思います。皆さん、これからもウルトラマンを語り繋いでいただいて、忘れないように応援して下さい。

▲漫画版を手掛けた一峰大二先生の登場に、会場からは拍手喝采!

この後、観覧席からの質問コーナーに移り、撮影の裏話などを話された黒部さんと桜井さん。また、今でも科学特捜隊として活躍した方とは仲がよいとおっしゃっていました。

またイベント会場には、ウルトラマン放送当時に漫画版を描いていた、一峰大二(かずみね だいじ)先生も来場。サプライズゲストの登場に観覧席からは拍手が沸き起こり、桜井さんに呼ばれて一峰先生もステージへ。


トークショーの最後に素敵なゲストを迎えてスペシャル対談は終了し、イベントはそのままサイン会へ移ります。


お二人のサインを求めて集まったファンの方で、会場には瞬く間に長蛇の列が出来上がりました。

ファンの方一人一人へ丁寧にサインを書き、笑顔で握手をしていく黒部さんと桜井さん。深々とお辞儀をする場面も見られ、ファンへの感謝の気持ちが伝わってくるサイン会でした。

▲名前を書いてほしいというリクエストにも笑顔で応えて、しっかり握手をする黒部さん。

▲「昔からのファンです」という方に、桜井さんは感謝の気持ちを込めて笑顔で握手をしていました。


■インタビュー:黒部進さん・桜井浩子さん

――ウルトラマンの中で、お二人それそれで思い出深いシーンを教えていただけますか?


黒部さん

私はやっぱり、変身する時に間違えてカレーのスプーンを出したシーンですね。“急いでいる”という事をコミカルに演出した場面でしたから。あの話は今でも印象深いです。


桜井さん

私は「ガマクジラ」が登場する話です。ガマクジラが真珠を食べあさった事で真珠が高騰して買えなくなってしまうんですね。私(フジ隊員)も真珠を買いたがっていた設定で、そこへ監督からガマクジラへ向けて「女の執念よ!」と叫ぶように指示があったんですよ。でも私は“何でこんな事言わなければいけないの?!”って思って撮影に臨んでいた事をよく覚えています。


――最終回はウルトラマンがゼットンに倒されるという、当時ウルトラマンを見ていた子供たちにとっては衝撃的なシーンでした。当時、お二人はウルトラマンが敗れるシーンをどんな気持ちで迎えましたか?


黒部さん

私は実際に特撮シーンの撮影現場に立ち会っていないので、感想ではないかもしれませんけど、寂しいシーンではありますよね。先程のトークショーでも話しましたが、人が成長するためにヒーローという存在は必要なんですよ。ウルトラマンは子供たちにとって憧れる対象であり、恰好のヒーロー像だったと思います。そのヒーローが最後に負けてしまうんですから。


桜井さん

黒部さんもおっしゃっていまいしたが、現場では見ていませんが、台本で拝見していました。その台本に、最後に「さようなら、ウルトラマン」と叫ぶシーンが書かれているのを見た時に“これで終わりなんだ”と思って、寂しくなりました。



――現在劇場公開中の「ウルトラマンサーガ」を含め、幅広い世代に親しまれているウルトラマンシリーズの持つ魅力とは何だと思いますか?


黒部さん

やっぱりウルトラマンの持つ人間へ向けたメッセージ性の強さと、子供たちが成長していく為に必要なメッセージがとても含まれているという事、また子供たちにとってはいつまでも憧れるヒーロー像であるという事だと思います。


桜井さん

ファン層を今でも広げている事ではないでしょうか。最近では、女性ファンが増えているのでとても嬉しいです。今日のトークショーとサイン会にも、女性の方がたくさんお見えになって下さっていましたし、同性のファンが目立つようになってきたのは心の底からありがたく感じています。ですから今日はとても素敵な時間を過ごせました。


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インタビューの合間に、初代ウルトラマンに登場した怪獣が現在のシリーズにも登場している事について、自分たちが関わった作品が本当に魅力的だったからこそ、今も受け継がれていると話す黒部さんと桜井さん。これからもウルトラマンは、みんなに愛され続ける作品であり、ヒーローであり続けて欲しいと期待しているそうです。



以上、「ウルトラマン創世紀展」のレポートでした。

ⓒ円谷プロ

にいがたマンガ大賞