HOME > 特集記事 > ウルトラマン創世紀展 スペシャル対談&サイン会第2弾

4月14日(土)より新潟市新津美術館で開催されている「ウルトラマン創世紀展―ウルトラQ誕生からウルトラマン80へ―」。開催初日には多くの方が来場し、ウルトラマンでハヤタ隊員を演じた黒部進さんと、同じくウルトラマンではフジアキコ隊員、ウルトラQでは江戸川由利子を演じた桜井浩子さんのスペシャル対談とサイン会も行われ、大いに盛り上がりました。

今回は5月12日(土)に行われたスペシャル対談&サイン会の第2弾。ゲストは「ウルトラセブン」に出演したモロボシ・ダン役の森次晃嗣さん、友里アンヌ隊員役のひし美ゆり子さん、アマギ隊員役と「ウルトラマン」ではウルトラマンのスーツアクターとして活躍した古谷敏さんの3名。

撮影が始まった時の様子や当時の思い出などを語り、笑いと拍手が起こる終始盛り上がった対談となりました。



■森次晃嗣さん・ひし美ゆり子さん・古谷敏さん スペシャル対談&サイン会

■インタビュー:森次晃嗣さん・ひし美ゆり子さん・古谷敏さん


■森次晃嗣さん・ひし美ゆり子さん・古谷敏さん スペシャル対談&サイン会

対談開始15分前に観覧席はゲストの登場を待つ人達で満席となり、4月に行われた黒部進さん・桜井浩子さんのトークショーと同じく立ち見のお客さんも出る程会場は盛り上がっていました。今回3人が揃ったのも45年振りとの事で、ゲストの方達も今日の対談を大変楽しみにされていたそうです。


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【午前の部】

―ウルトラセブンの撮影が始まった時の事を教えていただけますか?


森次さん

最初にお話しを聞いた時は役者として活躍するチャンスだと思いました。そこで、役柄を聞かせて頂いたら、円谷英二さんに「宇宙人だよ」と言われたんです。役者の中で宇宙人の役を最初に務めたのは私だと思います。

当時は役作りの為にどうすればいいかを寝ずに考えた事もありましたし、撮影中はなるべく他の共演者の方とはあまり馴染まないように気を付けていました。他の出演者たちと一緒にいると人間のようになってしまう気がしたので。

また、当時自分の給料も少なかった事もあって、みんなと一緒に打ち上げも行けなかったんですが、結果としてそれが役作りに役立った気がしますね。

▲モロボシ・ダン役 森次晃嗣さん


―アンヌとダンの淡い恋心について、最終回ではっきりする訳ですが、それまでの話で語られている場面はありましたか?


森次さん

ありましたよ。満田監督が務めた、「700キロを突っ走れ!」(28話)などで描かれています。満田監督はそうした作品を多く撮ってくれたんですよ。

ひし美さん

実相寺監督の時も少し撮りましたよね。

森次さん

そうでしたね。今では実相寺監督も亡くなってますし、あとソガさんもキリヤマ隊長もいないですから。みんな揃ったら最高だったんですけどね。仲も良かったですし。

▲アマギ隊員・ウルトラマン アクター役 古谷敏さん

―特撮シーンと本編の部分とは別撮りと考えてよろしいですか?


森次さん

別撮りです。でも一緒に撮影をした事もありました。私とアマギ隊員が出ていた話で、沼みたいな場所で撮ったシーンがあるんですけど・・・

ひし美さん

「グモンガ」(18話「空間X脱出」)の出てくる話じゃない?

森次さん

良く覚えてるね~(笑)。そう、「グモンガ」の登場した時です。特撮班が一緒に撮影をしたのは、その話が初めてだったと思います。

ひし美さん

あと、ブラコ星人が出てくる話も特撮班で撮ったんですよ。「人間牧場」(22話)の回でしたね。

森次さん・古谷さん

良く覚えてるね~(笑)


―古谷さんはウルトラQやウルトラマンでの特撮の現場から、セブンでアマギ隊員として本編の撮影へと変わった訳ですが、撮影の時にギャップやスピード感、こだわり等に何か感じたものはありましたか?


古谷さん

特になかったです。ただ、仮面を外して俳優として顔を見せて仕事ができましたし、仲間にも恵まれて楽しく撮影には臨めました。私は撮影が終了した後、東宝との契約が切れたんですよ。そこで「もういいかな」と思い、役者をやめようか続けるか葛藤しましたね。

森次さん

これ以上の素晴らしい作品はないと?

古谷さん

そうです(笑)。それから役者を辞めると決めて、しばらく共演した方達とも会わなくなりましたね。

ひし美さん

それから古谷さんは、5年前に一人で会いに来てくれた時があったんです。ずっと探していましたから、久しぶりにお会いできた時はとても嬉しかったですね。

▲友里アンヌ隊員役 ひし美ゆり子さん

―撮影の中で、これだけは忘れられないシーンを教えていただけますか?


森次さん

やっぱりメトロン星人とちゃぶ台を挟んで座るシーンですね。「変なシーンだな」と思いましたよ(笑)。でも、あのシーンが名場面となりましたから。ショッキングなシーンが思い出に残るんでしょうね。

ひし美さん

私はフルハシ隊員とソガ隊員が作戦室でたばこを吸った後に、態度が変わるシーンです。そこから他の隊員が二人を棒などで叩くシーンがあるんですけど、監督から「思いっきりやれ」という指示がありまして。みんな楽しんで普段叩けない人を叩いている様子が面白かったですね(笑)

古谷さん

私は松坂慶子さんと共演した話です。こんな名女優になるとは思っていませんでしたよ。当時松坂さんは16歳でしたけど、綺麗で素敵でした。


―ウルトラセブンがライフワークになっていく事は当時考えていましたか?


森次さん

みんな思っていないんじゃないでしょうか。当時使用してた隊員服などは、円谷プロにも殆ど残っていないですし。撮影後は僕らも違う作品に関わっていたので、ここまでみなさんに愛される作品になるとは思ってもみませんでした。


―いつ頃に作品の人気を意識するようになりましたか?


森次さん

放送されてから30周年の時に「ダン」という本を出したんですが、その時にある本屋で行ったサイン会に建物の屋上までファンの人達が集まったんです。その様子を見た時に実感しましたね。ですから、せめて80歳までは変身を続けていきたいと思っています。ただ、車いすが必要になったら辞めます(笑)。

古谷さん

僕もそれほど思っていませんでした。役者を辞めてからはプロモーション会社で仕事をやっていましたが、セブンが出る企画の時には、本当にたくさんの人が集まってくれたんです。その光景を見た時、役者ではない別の視点から作品の人気の高さを感じる事ができました。

ひし美さん

私は今とても作品のすばらしさを感じています。もし当時のアンヌに何か伝える事ができるなら、「45年経っても、たくさんのファンがいるわよ」と教えてあげたいですね。



この後、観覧者からの質疑応答が行われました。その中でセブンの息子の「ウルトラマンゼロ」について「母親は誰ですか?」という質問に「私も分かりません。逆に教えて下さい。」と答え、会場の笑いを誘った森次さん。

また、トークショーの最中に会話の流れから、最終回のダンがアンヌに正体を明かすシーンが再現されました。森次さんは持参した『ウルトラアイ』でおなじみの掛け声で変身ポーズをとる場面も見せて、大盛り上がりでした。

▲撮影当時の事を思い出しながら語る森次さん、ひし美さん、古谷さん。時には会場の笑いを誘いながら楽しそうに話していました。

▲「ジュワ!」の掛け声に合わせてウルトラアイを翳す森次さん。 観覧席からも「おーーーっ」と大歓声が!

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【午後の部】

ここでは、午前の部では語られなかった対談の内容を紹介します。


―ウルトラセブンと最初に会った時の印象はどうでしたか?


森次さん

事前にデザイン画を見せて頂いた時は、細身で柔らかい感じがしました。ですが、実際に出来上がったセブンはがっちりしていて、強そうだと思いましたね。隊員服も、ウルトラマンのような派手な物は着たくないと他の役者さんとも話していたんですが、出来上がったものは前作のものとは全く違う、斬新なデザインだったのでよかったです。


―ウルトラセブンの掛け声はすぐに決まったんですか?


森次さん

いえ、決まっていなかったんです。ウルトラセブンの声も担当して下さいと言われてから、スタジオで録音をしたんですが、その時収録した中に「ジュワ」の声があったんです。


このあと話しの流れで、司会者から古谷さんへウルトラマンの「シュワッチ」の掛け声がリクエストされ、掛け声に合わせてスペシウム光線のポーズを取る古谷さん。ウルトラマンとウルトラセブンの共演に、会場は拍手喝采となりました。


対談の最後には森次さん・ひし美さん・古谷さんの3人揃っての集合写真を撮り、終始笑いと拍手で溢れたスペシャル対談でした。

▲司会者のリクエストに応えて、スペシウム光線のポーズを取る古谷さん。ウルトラマン本人だけあって、さすがにきまっています。

▲最後は皆さんで集合写真。45年振りの再開もあって、親指を立てたポーズで締めくくりました。


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スペシャル対談終了後に行われた、ゲストによるサイン会にもたくさんの人が集まり、ファン一人ひとりと会話をしながら楽しんでサインに応える姿が見られました。


ウルトラマンシリーズの中でも名作と言われる「ウルトラセブン」。森次さんが「まだ変身を続けていきたい」と語ったように、これからも人気は続いていくと思います。

午前・午後共に多くのファンが集まったスペシャル対談&サイン会は大盛況となりました。

▲握手の時に「がんばって!」と声をかけていた森次さん。ファンの方もヒーローからの激励に手に力が入っていました。

▲一人ひとり丁寧に応対するひし美さん。握手を求められた時も優しい笑顔と声をファンに向けていました。

▲世界にただ一人の本家・ウルトラマンを演じた古谷さん。ファンの方と愛想よく会話をする姿も見られました。


■インタビュー:森次晃嗣さん・ひし美ゆり子さん・古谷敏さん

―ウルトラセブンの中で思い入れのあるシーンを教えていただけますか?


森次さん

最終回ですね。ウルトラセブンが去っていき、キリヤマ隊長の「ダンにすがっている場合じゃない。ダンがいなくても人間の手で地球を守らなければいけない」という最後のメッセージがあります。ダンが去っていく事もテーマですが、隊長のセリフが好きなんです。人間の手で地球は守っていかなければというメッセージはこの作品の大切なテーマです。

あと、「ノンマルト」(42話「ノンマルトの使者」)の話も好きですよ。


ひし美さん

森次さんから出ましたが、ノンマルトの話は好きです。リゾートウェアで砂浜を走るシーンがありますが、最近ですとドラマ等のDVDにはメイキングシーンが入っているじゃないですか。メイキングとは違いますが、隊員服を着ていない普段のダンとアンヌのような感じがしたので。



―皆さんが演じた役柄の魅力を教えていただけますか。


ひし美さん

アンヌは才色兼備とでも言うんでしょうか。とても素晴らしい人物だと思うんです。アンヌ以外にも色々な役柄を演じてきましたが、よい作品に巡り合えたと思います。


古谷さん

ウルトラマンの時は周りに役者が誰もいない中での撮影でしたから、疎外感は感じていました。それからセブンが始まった際に、アマギ隊員という役を与えていただき、また自分にあった人物だったので、それがよかったですね。それと、「ダンに助けてもらう」という役になったという事ですね。地球や人類を守っていたダンが一個人を助けにいくという、その役を与えられた事はよかったです。あの助けられるシーンには「友情」というテーマがありますし、子供たちにも伝わったんじゃないかと思います。


―ウルトラマンシリーズの中でも、ウルトラセブンは平成になってもたくさんのタイトルが作られていますが、その魅力は何だと思いますか?


森次さん

やはりウルトラセブンにはファンが多いという事が土台にあるからだと思います。それはリアルタイムからずっと引きずっているものですし、だからこそ制作する方もつまらない作品は作れないんですよ。また、今ではCGで表現されている作品が多いですが、そこにも限界があります。

リアルタイムの作品は円谷英二さんの世界観で作られています。セブンより後はもう円谷英二さんは関わっていないですから、それだけでも違うんですよ。特撮技術は今見てもすごく鮮やかですし、アナログの良さがとても映えていました。ですから、私はリアルタイムの作品を越えることはできないと思いますよ。


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その他インタビューでは森次さんが「撮影は1話から順番にしているわけではないけど、最終話は最後に収録したんです。やっぱり「最後だ!」という撮り方や気持ちで臨みますから。その最終話で敵基地を爆破するシーンがあるんですけど、特撮監督が「最後だから」という理由で残っていた火薬を全部使ったんです。見てもらうと分かると思いますけど、迫力がすごいですよ!」と撮影時の裏話を語ってくれました。


また、対談とインタビューの中で出演者が当時の思い出を楽しそうに話す様子や作品に関われた事への感謝を語っていることから、視聴者だけでなく出演者からも「ウルトラセブン」は愛されている作品である事が伝わってきました。


以上、スペシャル対談&サイン会第2弾の様子とゲストインタビューでした!

ⓒ円谷プロ

にいがたマンガ大賞