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■開催日

5月3日(金・祝)


■会場

新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ5F 能楽堂


■目次

第1部:出演者自己紹介~導入

第2部:「マンガ・アニメを活かしたまちづくり」について各出演者の見解

第3部:「マンガ・アニメを活かしたまちづくり」は税金の無駄遣い!?


■出演者(順不同)

呉 智英氏(評論家、日本マンガ学会理事)

井上伸一郎 氏(株式会社角川書店代表取締役)

郡司 幹雄 氏(株式会社プロダクション・アイジー 企画室執行役員)

表 智之 氏(北九州市漫画ミュージアム専門研究員)

夏目房之介 氏(漫画コラムニスト、学習院大学大学院教授)

土田 雅之 氏(にいがたマンガ大賞実行委員会会長)


【第1部】出演者自己紹介~導入

【呉 智英 氏】

『「マンガ・アニメを活かしたまちづくり」は税金の無駄遣い!?』という大変刺激的なテーマについて、これから2時間あまりお話をすることになります。議論がどうなりますか。「無駄遣いだ」というようなことになったら、これはこれで新潟市をあげて大変な騒動になります。なるべくそうならないように願っておりますけれども、なってしまうのもこれはこれでマンガ・アニメらしくていいかなという気もいたします。さてどうなりますか。まずは舞台にあがっていらっしゃいますパネリストの皆さん方、ご自分でお名前と所属をお願いいたします。


【角川書店 井上 氏】

皆さん今日はご来場ありがとうございます。角川書店で社長をしております、井上です。よろしくお願いいたします。


【プロダクション・アイジー 郡司 氏】

アニメーション制作会社、プロダクション・アイジーの郡司です。アイジーは新潟市内にアニメスタジオを1つ持っておりまして、そのご縁で今回このお話をいただきました。受けるときに、無駄遣いか無駄遣いじゃないかというところ、爆弾発言をしちゃうかもしれないですよと申したのですが、「爆弾発言してもいい」とOKをいただいたので参上しております。よろしくお願いいたします。


【北九州市漫画ミュージアム 表 氏】

福岡県の北九州市漫画ミュージアムから参りました、表です。この中では一番「無駄遣いだ」という結論がでると困る立場の人間かなと思っています。現在の館や経験の中からお話申し上げたいと思っています。


【マンガコラムニスト 夏目 氏】

マンガコラムニストと紹介されていますが、私は昔80年代まで一応マンガ家でした。90年代にマンガ評論家のようなものになり、ここ5年位は学習院大学の身体表象文化学専攻という長い名前の大学院の先生をやっております。正直税金の無駄遣いかどうかよく分かりませんので、他の方の話を聞いて話をさせていただければと思っております。


【土田 氏】

第一回にいがたマンガ大賞から会長を務めています。私は行政の人間ではなく市民の実行委員会の会長を務めさせていただいていますので、税金を使ってマンガ・アニメの施設ができて、「すごくうれしい」という立場で話していきたいと思います。


【呉 氏】

以上の5人の方、そして私を含めて6人で話を進めていきたいと思います。まず私が司会役として概括的に、日本におけるマンガ・アニメに関する公的な施設その他が、どんな風であるかということを少しお話いたします。【別紙1※】をご覧いただきたいと思います。


※別紙1資料ファイル_pdf(クリックするとファイルが開きます)


これをくわしく説明しているとこれだけで1時間簡単にたってしまいますので、ざっとお話をします。これは今から4年前の2009年に「マンガとミュージアムが出会うとき」というタイトルで出版された本からプリントしました。3人の共著なのですがそのうちの1人が今舞台にいらっしゃる、表さんです。表さんが当時所属しておられた「京都国際マンガミュージアム」が、いくつかあるうちの成功例かつ先行例です。昔小学校だったこの建物自体が歴史的建造物なのですが、これを利用してマンガミュージアムができました。天気のいい日にはグラウンドにマンガを持ちだして、みんなでマンガを楽しんでいます。ここは研究施設でもあるのですが、一般市民の皆さんに大変親しまれている施設です。


さて右半分を見ていただきますと、マンガ関連文化施設一覧があります。2009年時点なので、現在表さんが所属している北九州市漫画ミュージアムはここには入っていません。それ以前のものがここで51例あげられています。この中で、明らかに成功してるものと「これは果してどんなものだろう」というようなものがあります。


京都国際マンガミュージアムのようにかなり大規模に展示や研究を行っているところは、どんなことをやっているか。(左側に表になっていますが)1マンガ資料の体験的体系的収集と整備、2マンガの学際的総合的研究、3マンガ活用モデルの研究開発、4ミュージアムにおける研究成果の社会還元、おおまかにこの4種類のようなことをやっている。私が所属している日本マンガ学会もいわばこのようなことをやっています。よく新聞記者に「マンガ学会で推薦している最近のマンガはありますか。」ということを聞かれるのですが、学会は、マンガ好きが集まって「どのマンガがおもしろい、このマンガがおもしろい」とか、そういうことをしているのではありません。簡単に申し上げますと、今ここにあったような研究課題のようなことを研究しているのがマンガ学会です。これが公的になると、研究するためのミュージアムを造るというふうになると思います。大まかにそのようにご理解していただければマンガの研究、そして公的な研究機関そして研究設備が何をやるかということがおわかりになると思います。


新潟市の方では1997年、今から16年程前に、「にいがたマンガ大賞」を始められました。その時に私と夏目さんが新潟に来て、シンポジウムの司会、発言それから大賞作品を選んだり、ということにも参加いたしました。それから今市長のお話にもあったように新潟はたくさんのマンガ家を輩出されています。そういうこともあって新潟は大変にマンガに力を入れてきた。それがこの度、古町と万代に施設がオープンしました。新潟は行政が力をいれて設備、施設、研究、などいろいろお金を割いている。これがまちおこしに繫がるかどうかということなんですけれども、さきほど申しましたように先行例をみても成功しているところもあり、成功とはちょっと言い難いところもあり、難しいところだと思います。マンガの研究にずっと携わってきた者としては、しかるべき力を傾注して成功例をこれからも増やしていただきたい。これが私の気持ちであります。そんなことを踏まえまして個別にお一人ずつご自分の見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。

にいがたマンガ大賞