HOME > 特集記事 > 東村アキコさんギャラリートーク「メアリー・ブレア展」

6月3日(日)、新潟市の万代島美術館「メアリー・ブレア原画展」にて、「ママはテンパリスト」「海月姫」などで有名なマンガ家の東村アキコさんをお迎えしてのギャラリートークが開催されました。

メアリー・ブレアは数々のディズニーアニメのコンセプト・アートや「イッツ・ア・スモールワールド」のデザインなどを手がけ、働く女性の先駆け的存在として活躍したアーティストです。東村アキコさんは以前よりメアリーのファンで、メアリー・ブレア原画展公式図録「メアリー・ブレア 人生の選択、母のしごと。」にも寄稿していらっしゃいます。


今回は特別に、東村さんにインタビューにもお答えいただきました。ギャラリートークの様子と併せてお届けします!


■ギャラリー・トーク

ギャラリートーク開始前の万代島美術館ロビーは、東村さんの登場を待ちわびるファンでいっぱいとなりました。その数なんと約270人!

ファンの皆さんの中には、小さなお子さん連れのご家族の姿が多く見受けられました。代表作の一つ「ママはテンパリスト」でご自身の子育て奮闘記を描き、多くのファンに支持されている東村さんならではの光景です。


メアリーの世界観にぴったりな華やかな着物姿の東村さんが登場し、盛大な拍手で幕を開けたギャラリートーク。

東村さんと、東村さんの大学時代の先輩である三鷹の森ジブリ美術館学芸員・三好寛さんによる軽妙なトークに、会場は笑顔に包まれました。

アーティストとして多くの仕事を抱えながら、子育てもこなしたメアリー。そんなメアリーと同じく、日々マンガの執筆に追われながらも子育てに奮闘する東村さんの視点から見た作品の解説に、皆さん深く頷きながら聞き入っています。

その場でお客さんからの質問にお二人が答えるという場面もあり、普段の美術館の雰囲気とはひと味違う素敵なギャラリートークとなりました。

大盛況のギャラリートーク終了後、なんと東村さんのご好意により特別にサイン会が開催されました。一人ひとり談笑を交えながら丁寧にサインに応じてくださった東村さんに、ファンの皆さんも大変感激している様子でした。本当にありがとうございました!


■スペシャルインタビュー

今回は特別に、東村さんにスペシャルインタビューにもお答えいただきました!

東村さんと新潟との意外な接点とは?!


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———メアリー・ブレアと多くの共通点をお持ちの東村さんですが、メアリーの作品や生き方に共感するところはありますか?


東村さん

メアリーには二人の男の子がいたんですけど、私も今年小学生になる男の子がいます。なので「子供を育てながら絵を描く仕事をする」ということがいかに激務か分かります。

今でこそ“働くママ”って珍しくないですけど、1950年代当時は女性の社会進出が進んでなくて、女性はお家に入って子育てと家事をするのが当たり前の時代だったんですよね。そんな中、いかに彼女が大変だったかを想像していくうちに、だんだんハマってメアリーのファンになったんです。


———ご自身の体験を題材にした作品を多く描いていらっしゃる東村さんですが、現実の出来事をマンガ化するにあたって気を付けていることはありますか?


東村さん

「嘘を描かない」っていうことを大事にしてますね。よく「膨らませて描いた方がいい」とか「話を盛って描いた方がいい」と言う方もいますけど、私はありのままを描く方が読者にはストレートに伝わると思っています。

それに、嘘を描くと今の人って勘がいいのでバレちゃうんですよね(笑)。なので、ありのままを盛らずに描いた方が今っぽいかな、と思います。


———東村さん流の「メアリー・ブレア原画展」の楽しみ方をお聞かせください。


東村さん

まず、図録(※公式図録「メアリー・ブレア 人生の選択、母のしごと。」)を買って読んでください!これは宣伝とかではなくてですね(笑)、図録の中にメアリーがどういう人生を辿ったかが詳細に書いてあるからなんです。

せっかく足を運んで美術館に来てるのに、絵だけ見ても正直よく分かんないや、って人も結構いらっしゃると思うんですよね。絵と同時に彼女が辿った人生を一本の映画を見るような気持ちで鑑賞すると、すごく有意義な美術鑑賞になると思います。


———ありがとうございました。最後に、新潟のファンに一言お願いいたします。


東村さん

私の先輩マンガ家さんにも新潟出身の方はすごく多いです。高橋留美子先生とか高野文子先生とか、女性の方もたくさんいらっしゃいますよね。

それに、個人的にもよく新潟には遊びに来てるんです。しょっちゅう小千谷とか柏崎に家族旅行で来て海で遊んだり、学生時代も大学が金沢にあったのでスキー旅行や美術展を見に新潟に来てました。なので、とても馴染み深い場所だと思っています。


新潟がマンガを使って色々活動をしているというのをさっき伺ったんですが、実は私魔夜峰央先生の大ファンなので、新潟の方がすごくうらやましいです。

今、出版業界も日本全体も少し元気がないので、ぜひ新潟からも新しいことをバンバン発信して盛り上げていただきたいな、と思います。


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東村アキコさん、素敵なコメントをありがとうございました!

万代島美術館では、7月8日(日)まで「メアリー・ブレア原画展」を開催しています。皆さんも東村さん流の楽しみ方で、メアリー・ブレアの世界を鑑賞してみてはいかがでしょうか?


【東村アキコさん プロフィール】

1975年宮崎県生まれ。99年『フルーツこうもり』で「ぶ~け」誌にて漫画化デビュー。初めての連載作は、『きせかえユカちゃん』(集英社)。代表作に、父とのエピソードが豊富に盛り込まれた『ひまわりっ ~健一レジェンド』(講談社)や、子育てに奮闘する母としての日常を描いた『ママはテンパリスト』(集英社「コーラス」誌)など。『海月姫』(講談社「Kiss」誌)では、2010年の講談社漫画賞を受賞。

にいがたマンガ大賞